table-vol.23_CANOPY by Hilton OSAKA UMEDA_2025 10
- 2025.10.13
- 機関誌table
作品名/キャノピーbyヒルトン大阪梅田
所在地/大阪府大阪市北区大深町6-38 グラングリーン大阪北館B1、1、10~25階
フロア床面積/ 1階190㎡ 10階1,046㎡ 11階1,270㎡ 12~25階各1,210㎡
フロア構成/1階_カフェ、10階_ミーティングルーム、11階_レセプション・オールデイダイニング・バー、12階_フィットネス、13~25階_客室
経営者/UKホテルマネジメント合同会社
運営者/ヒルトン
所有者/グラングリーン大阪開発事業者
設計/ (建築)日建設計+竹中工務店 (内装)日建設計 九十九優子 今井充彦 関澤衣織 谷なつき 米澤研二
施工:うめきた2期共同企業体(竹中工務店・大林組)
開業:2024年9月6日
<地域性や文化を「HACK」して新しい大阪を表現>
「キャノピーbyヒルトン」は「ネイバーフッド」をコンセプトに、その土地に根差し、街の特性を活かしたデザインやサービスを展開するライフスタイルブランドである。「キャノピーbyヒルトン大阪梅田」は、うめきた公園に隣接するグラングリーン大阪の北館に位置し、公園を眼下に望むタワーの高層部にパブリックスペースと客室、1階にカフェを構える。
デザインコンセプトは「大阪をHACKする」。“HACK”とは既成概念の形を変え、新しいアイデアをミックスして、これまでのシステムを書き換えていくこと。キャノピーというブランドのフィルターを通して、大阪の地域性や文化を、ユーモアを持って“HACK”して空間を構築することで、新しい大阪を表現するホテルを目指した。
パブリックエリアではレセプションからレストラン、バー、屋上外庭園、ミーティングエリアに至るまで、ひとつながりのシームレスな空間構成とすることで、滞在客だけでなく地域の住民やオフィスワーカーなど多様な人々が集い、さまざまなシーンが同時多発的に繰り広げられることをイメージした。そこに多彩な家具やアート、シーソーやスマートボールといった遊び心あふれるオブジェクトを用意することで人々の距離を縮め、「ネイバーフッド」とのつながりを感じさせるきっかけを詰め込んだ。
客室ではブランド名でもある‘キャノピー’をベッドの上に天蓋として設け、豊臣秀吉の馬印・千成瓢箪や、うめきた公園に植樹されたメタセコイアをグラフィカルに表現した。またレトロな冷蔵庫を模した遊び心あふれるミニバーや、関西が起源といわれる福助人形を“HACK”するなど、大阪にまつわる歴史やユーモラスな雰囲気を表現した印象的なデザインがゲストをもてなす。
さまざまに“HACK”されたアートやデザインがミックスされることで、大阪ならではのエネルギッシュな“ごちゃまぜ文化”がつくられていく。このホテルで人々が出会いつながり、新たなインスピレーションが湧き上がる場所となることを願っている。
〈九十九優子+今井充彦/ 日建設計〉
AWARD/2024 - International Design Awards/ 銀賞
●竣工ムービー
●公式ホームページ


